著者
杉山 裕子 Hatcher Patrick 熊谷 哲 Valentin Drucker Vladimir Fialkov 片野 俊也 三田村 緒佐武 中野 伸一 杉山 雅人
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.190-190, 2008

バイカル湖深層水中の陸起源有機物の存在を分子レベルで明らかにすることを目的として、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析器による分析を行った。分析の結果、バイカル最深部945mの試料水で検出された質量ピークの89.6%は流入河川水中で検出されたピークと全く同じ分子式で示される物質であることが明らかになった。
著者
杉山 雅人
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.667-675, 1996-07-05 (Released:2009-05-29)
参考文献数
27
被引用文献数
14 14

自然水中の懸濁物質に含まれる主要から微量に至るまでの各種元素の同時分析法を検討した.懸濁物質を捕集したニュクリポアーフィルターをねじふた付きのテフロン瓶に入れ,濃アンモニア水を加え一定時間放置後,加熱して乾固した.残留物に過塩素酸・硝酸・フッ化水素酸の混合物を加えて加熱分解した.分解物を蒸発乾固した後,過塩素酸及び硝酸を加え再び乾固した.残留物を硝酸溶液に溶解し,ICP-AESに供試した.本法によって4種類の標準物質を分析し,AI,Ba,Ca,Cr,Cu,Fe,Mg,Mn,Ni,P,Sr,Ti,V,Znの14元素について,良好な結果を得た.原子吸光法を用いると,同一の試料でKとNaが定量できた.本法は水中懸濁物質に限らず,たい積物,岩石,生物試料,エアロゾルの分析にも広く有用である.
著者
阿知葉 征彦 石倉 和夫 工藤 功二 杉山 雅人 勝又 賢治
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.60-66, 1989
被引用文献数
2 1

現行カラーテレビ信号から高画質な画像を得るIDTVの動き適応形信号処理に適用するため, 複合カラーテレビ信号から動き情報を抽出する動き検出方式について検討を加えた.まず, 動き検出誤りおよび動き制御信号の量子化精度について考察した後, NTSCとPAL方式の動き検出について検討した.NTSC信号では, フレーム間の差信号の低周波成分と2フレーム間の差信号とから誤検出のない動き情報が抽出できること, また, PAL信号では標本化位相を適当に選ぶことにより, フレーム間の差信号から誤検出のない動き情報が得られることを示した.しかしインタレース走査信号では, フィールド単位の時間標本化を行っており, フレーム単位の動き検出では検出漏れが生じる.この検出漏れの救済にはフィールドメモリーを利用するフィールド間の演算に, エッジ部分の誤検出を防ぐエッジ適応処理を組合せる方法が有効なことを示した.
著者
木村 初司 杉山 雅人 小島 昇 松川 昌章
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会年次大会講演予稿集 (ISSN:09191879)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.67-68, 1993

This paper describes a CNR(CNR : Chroma Noise Reducer) for MUSE decoder. This system adopts a frame recursive type NR after MUSE decoding, it is able to take effect for motion-adaptive and motion-compensation.
著者
杉山 裕子 Hatcher Patrick G. 三田村 緒佐武 片野 俊也 熊谷 哲 中野 伸一 DRUCKER Valentin V. FIALKOV Vladimir A. 杉山 雅人
出版者
日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.165-177, 2008
被引用文献数
1

Lake Baikal, located on the north-eastern borders of Central Asia, is the deepest (maximum depth 1,700 m) and one of the largest lakes in the world. To elucidate the chemical composition of dissolved organic matter (DOM) in the Lake Baikal, we applied high resolution fourier transform ion cyclotron resonance mass spectrometry (FT-ICR-MS) to the lake water samples. Water samples were taken at the deepest point of Lake Baikal and its inflowing Barguzin River mouth on August 2005. The sample water was filtrated on board and DOM was extracted using C 18 solid-phase extraction disks (Kim et al., 2003^a). The extracted samples on the disks were analyzed by a 9.4-T FT-ICR mass spectrometer at the National High Magnetic Field Laboratory (Tallahassee, FL, USA) in negative ionization mode with a needle voltage of -2.0 kV. From the FT-ICR mass analysis, 3511, 2862 and 2191 peaks were detected (S/N>3) in river and 5 m- and 945 m- depth lake water samples, and more than 80% of the peaks were assigned within ± 1.0 ppm error. Using van Krevelen Diagrams (van Krevelen, 1950), we found that the main component of L. Baikal DOM was allochthonous lignin-like organic molecule, and that autochthonous lipid- and protein-like molecules were also found in surface water.
著者
中西 正己 紀本 岳志 熊谷 道夫 杉山 雅人 東 正彦 和田 英太郎 津田 良平 大久保 賢治
出版者
京都大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1994

1993年の琵琶湖の夏は、記録的な冷夏・長雨だったのに対し、1994年は猛暑と渇水に見舞われた。この気候変動は、琵琶湖の微小生物生態系を大きく変化させた。1993年夏の琵琶湖国際共同観測(BITEX)に続いて、1994-1995年夏の本総合研究において、世界に先駆けて実施された生物・化学・物理分野の緊密な連携のもとでの集中観測結果は、琵琶湖の水環境を考える上での最重要部分である『活性中心』としての水温躍層動態の劇的な変化を我々に垣間見せてくれた。特に注目された知見として、1993年、1995年の降雨は、河川からの水温躍層直上への栄養塩の供給を増やし、表水層での植物プランクトンの生産を活発にしたのに対し、1994年は河川水の流入が絶たれたため、表水層での植物プランクトンの生産は低下し、キッセ板透明度も十数メートルと向上した。その一方で、躍層内での植物プランクトンの異常に高い生産が、詳細な多地点・沿直・高密度連続観測によって発見された。この劇的な理学の変化は、湖の生物・化学・物理全般にわたる相互作用として、従来指摘されていなかった新たな機構についての知見の一つである。
著者
杉山 雅人
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.667-675, 1996-07-05
被引用文献数
6 14

自然水中の懸濁物質に含まれる主要から微量に至るまでの各種元素の同時分析法を検討した.懸濁物質を捕集したニュクリボアーフィルターをねじふた付きのテフロン瓶に入れ, 濃アンモニア水を加え一定時間放置後, 加熱して乾固した.残留物に過塩素酸・硝酸・フッ化水素酸の混合物を加えて加熱分解した.分解物を蒸発乾固した後, 過塩素酸及び硝酸を加え再び乾固した.残留物を硝酸溶液に溶解し, ICP-AESに供試した.本法によって4種類の標準物質を分析し, Al, Ba, Ca, Cr, Cu, Fe, Mg, Mn, Ni, P, Sr, Ti, V, Znの14元素について, 良好な結果を得た.原子吸光法を用いると, 同一の試料でKとNaが定量できた.本法は水中懸濁物質に限らず, たい積物, 岩石, 生物試料, エアロゾルの分析にも広く有用である.