著者
竹内 宏治 井熊 武志 高橋 裕司 匂坂 慶子 高澤 俊英
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 自然科学 (ISSN:09193359)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.103-107, 2001-06
被引用文献数
1

フェノール-硫酸法(80%(w/w)フェノール試薬使用)は、ペーパークロマトグラフィーによって分離された少量の糖類を定量するためにDubois等[Dubois,M.,Gilles,K.A.,Hamilton,J.K.,Rebers,P.A.,and Smith,F. 1956. Anal. Chem. 28:350-356]によって開発されたが、最近は5%(w/v)フェノール試薬を使用する改良法[Hodge,J.E. and Hofreiter,B.T.1962. Methods in Carbohydrate Chemistry vol.1,pp.380-394]が広く用いられている。我々は、カラムクロマトグラフィーによって分離されたごく少量の糖類を定量するためにHodge and Hofreiter (1962)の方法を高感度定量法に改良した。Hodge and Hofreiter法と比較すると、我々の高感度定量法は、再現性はほぼ同程度であるが、約10倍感度が良くなり、マイクログラムレベルの糖を定量でき、非常に優れた方法である。更に、フェノール-硫酸法において、濃硫酸の添加は注意深く行わなければならず、そして又時間を要する操作であるが、我々の改良法では、硫酸の使用体積を大幅に減少させたために、多数のサンプルを同時に処理でき、硫酸添加後の操作の危険性が減少し、実験操作性が大きく向上した。