著者
北島 純
雑誌
社会構想研究 = Journal of Social Design (ISSN:2433670X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.35-44, 2022-09-30

本論文は,広告をはじめとする表現活動が「文化の盗用」の非難を浴びせられるリスクを回避するために必要な考慮要素を,ジェームズ・O・ヤングの文化的盗用論,文化的植民地主義論及び無形文化遺産保護条約制度を参考にして検討したものである。伊ヴァレンティノのCMが非難を浴びた事案等の検討を通じて,無形文化遺産保護条約の規定する無形文化遺産一覧表の該当性,広告内容の強度性,不当な危害・不快感の有無,強者の視点への偏り(少数者への配慮),広告市場の客観的状況と歴史的コンテクスト,広告当事者の「声」の想起(対話性)という要素が,伝統文化に関わる広告等の表現活動の適切性を事前判断する基準になりうることを論じた。

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著者
北島 純
出版者
学校法人先端教育機構
雑誌
社会情報研究 = Journal of Information and Communication (ISSN:2433670X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.49-52, 2021-03-26

本稿は,タイ王国における火力発電所建設工事に関してタイ政府公務員に贈賄したとして,不正競争防止法18条(外国公務員贈賄罪)違反の疑いで起訴された三菱日立パワーシステムズ社元取締役に,共謀共同正犯の成立を認定し懲役1年6月執行猶予3年とした第一審判決(東京地裁令和元年9月13日)を破棄し,幇助犯の成立を認定し罰金250万円とした東京高裁令和2年7月21日判決を検討したものである。
著者
北島 純
出版者
学校法人先端教育機構
雑誌
社会情報研究 = Journal of Information and Communication (ISSN:2433670X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.39-46, 2022-03-31

本論文は,昭和22年に成立した国会法(昭和22年法律第79号)38 条が規定する「通信費」(現在の文書通信交通滞在費)の立法経緯を,GHQによる勧告案との異同の観点から検討し,「特権付与」から「実費弁償」へ,「郵便のみ」から「通信も含む」へ修正が加えられた意義を考察したものである。