著者
石田 龍吉 北村 菊男 塩入 淳平 八田 桂三
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.301-313, 1965-09

軸流機械の翼の振動に対する翼植え込み部の支持剛性および振動減衰能について実験を行なった.試作した実験装置では,実際の運転状態で生ずる大きな遠心力荷重を静的に加えることができる.実験は,(i)クリスマスツリー,(ii)ダヴティルおよび(iii)ピン接手の3形式について行なった.その結果を要約すると1)(i)(ii)の支持剛性は遠心荷重の影響をあまり受けない.一方,(iii)の場合は,遠心荷重にほぼ比例して増加する.後者は,既存の理論[1] [2]の結果とかなりよく一致する.2)振動減衰能は, (i)(ii)では,遠心荷重の増加および振動振幅の減少と共に下がる.(iii)の場合は,かなり複雑である.ただ,振幅と減衰能の関係は,ピン周りの隙間が小さいときは上述の(i)(ii)場合と同じであるが,隙間が大きくなるとこの関係が逆転することは結論できるようである.また,上述の実験結果に対して,植え込み部の接触状態に関する考察を基礎として,若干の定性的説明を試みた.