著者
渡邉 早苗 菅野 義彦 吉沢 守 北村 雄大 松村 康男 松本 郷 雑賀 慶二 鈴木 洋通
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.1187-1190, 2006-06-28
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

血液透析患者に対する食事療法の一環として, 日常の精白米をリン含有量が少ないBG無洗米に変更した. 15名の透析患者 (男性8名, 女性7名, 平均年齢: 54.1歳, 平均透析年数: 10.1年, 原疾患: 慢性糸球体腎炎10名, 糖尿病性腎症5名) に対して1か月使用したところ, 血清リン値は7.2±0.2mg/dLから6.3±0.4mg/dLへ有意に減少した (p=0.0014). 15例中12例 (80%) で減少を認め, うち9例 (60%) では10%以上の減少を認めた. 食味の低下を訴える例もなく, 使用に際し大きな問題は認めなかった. また, 使用前の血清リン値, 透析歴と血清リン値の減少率には関連がみられなかった. 経済的な負担も大きくないため, リンの摂取量をコントロールする上で有用であると考えられた.