著者
北浦 賢一
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

高張力鋼HT590材で製作された平滑ならびに環状切り欠き(応力集中係数Kt=1.7、2.4、3.2)を有する丸棒試験片に対して主に低サイクル疲労には落重式衝撃引っ張り疲労試験機を用い、中サイクル疲労には回転式衝撃引っ張り疲労試験機を用いて試験を行い次の結果を待た。1)低サイクル領域では平滑材、切り欠き打=1.7の破壊形式は断面収縮型の疲労破壊を示す。2)断面収縮型の疲労破壊を示す残留ひずみの挙軌は応力の大きさによらずクリープ初期領域、残留ひずみの増加量Δε_c(=dε/dN)がほぼ一定のクリープ安定領域およびクリープ加速領域の3段楷に分けることができる。また塑性ひずみ速度Δε_cはΔε_c/Tの値である。ここで、Tは最大応力持続時間である。3)Δε_cと衝撃応力δの間には次の関係がある。δ/δn=S・(Δε_c/ε_f)^β (a)ここに、S、βは試験片形状によって定まる定数4)Δε_cと衝撃引っ張り疲労寿命N_fの間には次の関係がある。(Δε_c/ε_f)・N_f^m=C (b)ここに、m、Cは材料定数5)破断繰り返し数N_fが5000回以上の場合の形式は平滑材および切り欠き材ともにすべてクラック型の疲労破壊である。6)落盤式疲労試験と回転式疲労試験の衝撃疲労強度は次式により表わすことができる。δ(N_f・T)^n=D (c)ここに、n、Dは試験片形状によって定まる定数