著者
北野 剛 Go Kitano
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of inquiry and research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
no.111, pp.131-149, 2020-03

本稿は満洲事変の背景をなしたとされる満蒙問題のなかでも、特に商租権問題に着目し、その概要を知るうえで必要な基礎的事項について明らかにするものである。商租権問題は1915年の対華21ヶ条要求の結果認められた、南満洲において土地を用益する権利であるが、設定当初より中国側の妨害を受け、外交問題化した。この問題について、これまでの研究では日中対立の側面に注目する一方で、商租行使の概況やその時期的展開については、十分に明らかにしてこなかった。また、商租権問題の事例についても、一部の争点化したもののみが取り上げられ、総体的な考察はなされてこなかった。そこで本稿では、そうした研究状況をふまえ、まず、基礎的事項を把握すべく、外務省記録にある毎年の領事報告をもとに、面積や件数などの統計を整理し、概況について分析した。また、その状況が日本国内および在満日本人にどのように認識されていたのかについても論及した。
著者
北野 剛 Go Kitano
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.111, pp.131-149, 2020-03

本稿は満洲事変の背景をなしたとされる満蒙問題のなかでも、特に商租権問題に着目し、その概要を知るうえで必要な基礎的事項について明らかにするものである。商租権問題は1915年の対華21ヶ条要求の結果認められた、南満洲において土地を用益する権利であるが、設定当初より中国側の妨害を受け、外交問題化した。この問題について、これまでの研究では日中対立の側面に注目する一方で、商租行使の概況やその時期的展開については、十分に明らかにしてこなかった。また、商租権問題の事例についても、一部の争点化したもののみが取り上げられ、総体的な考察はなされてこなかった。そこで本稿では、そうした研究状況をふまえ、まず、基礎的事項を把握すべく、外務省記録にある毎年の領事報告をもとに、面積や件数などの統計を整理し、概況について分析した。また、その状況が日本国内および在満日本人にどのように認識されていたのかについても論及した。