著者
土井 礼子 北野 庸子 中川 雅文
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
Audiology Japan (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.679-691, 2012-12-28
参考文献数
17

聴覚障害児と家族に対する支援として, 情報通信技術 (Information and Communication Technology: 以下ICT) を活用し, 遠隔支援プログラムサイトを構築した。聴覚障害児の親と言語聴覚士 (以下ST) を対象に遠隔支援プログラムサイトの評価を行った。各対象者にはサイトに接続してもらい, プログラムのわかりやすさ, 資料や映像のダウンロードなどの機能の使いやすさ, 映像内容, 指導内容, 遠隔支援の有効性について回答してもらった。肯定的な回答と否定的な回答に分けて二項検定を行ったところ, 聴覚障害児の親は48/53の, 言語聴覚士は47/53の質問項目において肯定的な評価が過半数以上であることが有意に示された。今後, 利用者のICTへの精通度, 対面の個別言語指導との併用などの検討が必要と思われたが, 遠隔地や海外滞在者を対象に支援を行う際に, 有効に活用できる可能性が示唆された。
著者
内藤 明 北野 庸子 飯田 政弘 石田 克紀 坂井 真 古賀 慶次郎
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.63-67, 1999-02-27 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10

人工内耳装用者における語音聴取能への影響因子と考えられる使用電極数と刺激部位および刺激範囲について検討した。 対象は音入れ2か月以上を経過した成人の人工内耳装用者で22本の電極がすべて使用可能な症例に行った。 方法は使用電極数を減少させた場合と刺激部位および刺激範囲を変えた場合の語音聴取能成績を求めた。 その結果, 使用電極数が1つおき10対使用時で語音聴取能の低下は認められず, 刺激範囲を狭くした場合に明らかな低下を示した。 したがって, 語音聴取能への影響因子として使用電極数だけでなく刺激範囲の影響が示唆された。