著者
藤吉 昭江 福島 邦博 伏見 久未子 北野 朱里 菅谷 明子
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.136-142, 2021-05-20 (Released:2022-05-20)
参考文献数
12

人工内耳装用を行った言語習得期前難聴児で、知的な障害がなく、音に対する反応も良好であるにもかかわらず言語発達の遅れを呈した児(disproportionate language impairment:DLI)に対して、音韻処理過程を考慮した言語指導を実施した 2 例について報告した。いずれも知的な遅れなく、また人工内耳装用下での聴取閾値も 20 − 30 dBSPL で良好な反応を示していたが、言語発達では 3 歳以上の遅れを呈していた。両症例とも非語の復唱で著しい困難さを呈しており、音韻認識の障害の合併を推定した。種村の既報をベースにした音韻認識をターゲットにした言語指導を行い、それぞれ指導後の 1 年間で順調な言語発達の伸びがみられた。音韻障害に起因する DLI 児に対しては、病態に応じた言語指導が有効である可能性が示された。