著者
虻川 嘉久 千葉 克一
出版者
大館郷土博物館
雑誌
火内 (ISSN:24360074)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.126-91, 2021 (Released:2021-08-08)
参考文献数
10

『大館郷土博物館研究紀要 火内』第14号において、「早口村肝煎・高坂家文書」の第一次報告を行った。それに続く第二次報告となる本稿では、「高坂家文書」の無尽証文・借用証文・永代売証文・小作証文を一覧にまとめ、比較解題した。百姓が凶作などにより物成・郷諸役の上納が困難となり、そのため借用や土地売買などが行われた。それは地域社会における相互扶助的な融通であり金策方法であった。また、個々の証文からは農村金融の実態を把握することができた。