著者
鈴木 堅二 中村 隆一 山田 嘉明 工藤 浩一 宮 秀哉 半田 健壽 若山 由香利
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.339-345, 1994-05-18
被引用文献数
20

脳卒中発症後6ヵ月以内の男性脳卒中片麻痺患者54例(年齢:28〜81歳)を対象として,8週間以上のCAGTプログラムによる歩行訓練を行い,毎週1回最大歩行速度を測定した.対象者を訓練開始時の最大歩行速度により,遅い群(18例,9.9±2.8m/min),中間群(18例,37.3±12.9m/min),速い群(18例,78.4±15.2m/min)に分けた.各群の訓練開始時と8週後の最大歩行速度,両足圧中心移動距離,前後および左右方向への随意的重心移動距離,患側および非患側の等運動性膝伸展筋力を比較し,これらの変数間の関連を検討した.逐次重回帰分析により歩行訓練開始時および8週問後における最大歩行速度の決定因を求めると,開始時に遅い群では年齢,中問群では前後方向重心移動距離比(対足長)であり,速い群では有意な変数はなかった.8週後には決定因は3群とも患側膝伸展筋力だけとなった.脳卒中片麻痺患者の最大歩行速度はこれらの生体力学的要因だけでなく,訓練期間や日常生活における歩行経験の有無によっても影響されることが示唆された.
著者
半田 健壽
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-5, 2005-02-20

日本理学療法学術大会(以下大会)は今回で39回を迎えた。宮城県理学療法士会の担当で平成16年5月27日(木)から29日(土)の3日間にわたり, 「病気障害, そして健康-理学療法学の近未来に向けて」をテーマに行われた。大会開催は, 10数年前からの開催構想, 士会で開催のコンセンサスを得ることまで含めると5年間にわたる準備の一大プロジェクトであった。特別講演をはじめ多くの企画に加え, 一般演題もこれまでの最高の1,059題(応募数は1,070題)に昇り, 参加者総数は4,910名, うち有料参加者数2,782名を数え, 活発な学術交流が図られたことは喜ばしい限りである。 本稿は大会長基調講演の発表を元に加筆し, 作成したものである。 大会開催に当たって 日本理学療法士協会(以下協会)は会員数も3万名を超え, 大会への参加者も前述の通り増して来た。日本で理学療法制度の誕生より約40年の間に多くの変化があったが, 中でも理学療法の理論的背景は大きく変化している。