著者
半田 太郎
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

近年,超音速マイクロ噴流を工学的に応用する試みが数多くなされている.各種機器に超音速マイクロ噴流を効率良く適用するためにはこの噴流の詳細な構造を理解する必要がある.とくにマイクロ噴流のブレークダウン長さは,ブレークダウンが起こると噴流が急激に乱れて広がり始めるので,応用上この長さを知ることは極めて重要である.本研究ではレーザー蛍光・りん光法を用いて超音速マイクロ噴流のブレークダウン長さを計測した.その結果,ブレークダウン長さはレイノルズ数の増加とともに減少し,亜音速マイクロ噴流と似た実験結果が得られた.しかしながら,亜音速マイクロ噴流ではブレークダウン長さはレイノルズ数の逆数に比例するが,超音速マイクロ噴流ではそのような結果とはならなかった.この結果から,超音速マイクロ噴流にはレイノルズ数以外にもブレークダウン長さを支配するパラメータが存在することが明らかになった.