- 著者
-
中澤 正博
森 宏樹
半田 潤
佐藤 輝重
小島 武文
大木 志朗
浜 洋平
戸原 玄
- 出版者
- 一般社団法人 日本老年歯科医学会
- 雑誌
- 老年歯科医学 (ISSN:09143866)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.2, pp.63-69, 2018-09-30 (Released:2018-10-27)
- 参考文献数
- 26
目的:本研究は,健常な後期高齢者を対象に,咀嚼能力の維持・向上を期待した簡便なトレーニング方法を検討することを目的とした。 方法:千葉県八千代市とその周辺地域在住の健常な後期高齢者30名(男性:9名,75~89歳,女性:21名,75~89歳)を対象とした。簡便なトレーニング方法としてガム嚙みトレーニングを1日3回30日間実施した。咀嚼能力は,グミ嚥下閾(ストローク),グミ嚥下閾(時間),咀嚼チェックガムで,嚥下能力は,反復唾液嚥下テスト(Repetitive saliva swallowing test:RSST)で,身体機能は,開眼片足上げで評価した。 結果:咀嚼能力はグミ嚥下閾(ストローク),グミ嚥下閾(時間),咀嚼チェックガムともに有意に向上した。嚥下能力に変化はなかった。身体機能は有意に向上した。 結論:ガム嚙みトレーニングを30日間実施することによって咀嚼能力や身体機能が向上したことは,ガム嚙みトレーニングが優れた機能訓練方法であることを示した。