著者
君塚 信夫 前田 憲 半田 豊和 國武 豊喜
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.5, pp.301-308, 1997

無機原子・分子を集積組織化して,無機ナノ構造を造り上げてゆく無機マニビュレーション技術の開発は,無機精密合成の重要な課題である.近年,従来の物理的無機微細化技術にはない特徴を有する手法として,有機分子集合体を利用する無機ナノ合成が注目されている.本論文では,高い構造秩序性を有する二分子膜キャストフィルムの層間を鋳型とする,低次元金属ハロゲン化物クラスターやシアノ架橋高分子錯体の合成,構造制御について検討した.その結果,イオン交換法,共分散法ならびに逐次合成法により,二次元キャストフィルム層間において無機クラスター・高分子錯体が形成されること,またその次元構造ならびに配向組織化状態が,二分子膜の秩序構造や膜表面における静電的相互作用に依存することを明らかにした.