著者
白 云哲 奥村 敏 常松 尚志 焦 其彬 小野 伸二 鈴木 さやか 黒谷 玲子 佐藤 元彦 南沢 享 石川 義弘
出版者
日本生理学会
雑誌
日本生理学会大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.180-180, 2008

Objective: Autonomic nervous activity is altered under microgravity. Cardiac response to autonomic regulation is mostly determined by &beta;-adrenergic receptors/cAMP signal that is regulated by adenylyl cyclase (AC). We thus examined the role of a major cardiac AC isoform, type 5 AC (AC5), in the autonomic regulation of the heart under microgravity induced by parabolic flights. Methods: We used transgenic mice with either disrupted (AC5KO) or overexpressed AC5 in the heart (AC5TG), and analyzed heart rate variability during parabolic flight. Results: The standard deviation of normal R-R intervals, a marker of total autonomic variability, was significantly greater under microgravity in AC5KO while no significant changes in WT and AC5TG. LF (low frequency)/HF (high frequency), a marker of sympathetic activity, became significantly lower under microgravity in WT and AC5TG while there was no such a decrease in AC5KO. Normalized HF, a marker of parasympathetic activity, became significantly greater in WT under microgravity, and became even greater in AC5TG, while no such increase in AC5KO. Conclusions: Putting together, changes in autonomic indexes in response to microgravity were augmented in AC5TG while attenuated in AC5KO, suggesting that AC5 plays a major role in determining the magnitude of cardiac responses to autonomic regulation under microgravity. <b>[J Physiol Sci. 2008;58 Suppl:S180]</b>
著者
南沢 享
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

心臓機能は、心筋細胞を含む10種類の心臓構成細胞が高度の協調性を保つことによって維持されている。心臓機能異常を 理解するためには複合的な階層構造体として心臓構成細胞の協調性の破綻を捉えることが重要である。本研究では、複合 的機能と階層構造を有する心臓組織の三次元再構築系を創成し、機械的刺激が心臓構成細胞の機能に及ぼす影響を明らか にすることを目指す。その最初の段階として、単純化された三次元構造でありながら、階層性と腔構造を有する心チュー ブを構築する。こうした三次元再構築系モデルは、心臓発生・再生の機序解明や心機能回復を目指す革新的方法(治療) の開発を行う上で、定量的測定とシミュレーション研究をつなぐ研究基盤を築くために極めて重要である。 【ラット培養細胞系での心チューブの確立】 既に公表されている遺伝子情報を活用すること、細胞自体への遺伝子操作を加えること、などを考慮し、ラット新生仔心 臓及び大動脈から単離した心筋細胞と血管平滑筋細胞を用いた。そこで最初に既に作成に成功している血管において、ラット胎仔大動脈血管平滑筋細胞が使用できるかどうかの検討を行った。まず、ラット胎仔から採取した大動脈血管平滑筋細胞を順次積層化し、7層まで細胞生存性を保ったまま、重層化することが出来た。この再構築系を用いて、血管弾性線維形成に影響を与える要素の検討を行い、重層化した平滑筋細胞では細胞分化がより亢進しており、血管弾性線維の形成が有意に促進していることが判明した。そこで次にポリグリコール酸生体吸収高分子シートにラット胎仔大動脈血管平滑筋細胞を播種し、約4週間培養し、シート外側部分への平滑筋細胞の生着が認められた。その部位はエラスチン染色で染まる部分が存在し、弾性線維形成が行われていることが示唆された。以上の結果から、再構築系にラット胎仔細胞を利用することが可能であることが示された。