- 著者
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松岡 英仁
坪田 紀明
西尾 渉
阪本 俊彦
原田 洋明
指方 輝正
- 出版者
- 日本肺癌学会
- 雑誌
- 肺癌 (ISSN:03869628)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.4, pp.329-332, 2001-08-20
第1例は57歳女性.正岡II期の混合型胸腺腫に対し切除術を行った.併発する赤芽球癆は術後速やかに改善した.第2例は58歳男性.併発する正岡II期の混合型胸腺腫を切除した後, ステロイドホルモンの投与を行ったが赤芽球の上昇は認めず, サイクロスポリンに変更後改善した.第3例は75歳男性.赤芽球癆を伴わない正岡III期のリンパ球優位浸潤型胸腺腫の切除後2年目, 頚部B-cell非ホジキン悪性リンパ腫の診断で放射線治療を受けた.その4年後, 赤芽球癆を発症し, サイクロスポリンの投与で改善した.胸腺腫の完全切除術後に併発する赤芽球癆の改善がない場合, 速やかにサイクロスポリン1mg/kg/日を開始するべきである.また胸腺腫切除後, 遠隔期に赤芽球癆を発症する例があり, この場合にもサイクロスポリンの投与は有効である.