著者
竹下 治範 藪田 有沙 北 早織 若林 知子 猪野 彩 原田 祐希 中川 素子 中川 道昭 波多江 崇 濵口 常男
出版者
一般社団法人 日本薬局学会
雑誌
薬局薬学 (ISSN:18843077)
巻号頁・発行日
pp.nt.2019-0002, (Released:2020-01-30)
参考文献数
16

要 旨:PTP 包装から錠剤を押し出す際,高齢者や手指の不自由な患者に対して押し出しやすい方法を提案することは重要な課題である.今回,PTP 包装からの錠剤の押し出し方法について客観的な評価とともに,人を対象とした官能評価試験で検討した.調剤薬局に来局し,同意を得た患者64 名を対象に,PTP 包装からの錠剤の押し出し方法についての官能評価試験を実施した.その結果,『指の腹』が押し出しやすいと回答した人が18 名(28%),『爪』と回答した人が46 名(72%)であった.データ解析の結果,男性に比べて女性で,さらに年齢が増すにつれPTP 包装から錠剤を取り出す際は,爪の方が押し出しやすいという傾向が明らかとなった.高齢化社会を迎える本邦において,高齢患者への服薬支援の一環として,PTP 包装からの錠剤の押し出しやすい方法の提案についても薬剤師が積極的に関与すべきだと考える.