著者
原田 純孝
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

2009年の農地制度改正は、戦後の農地制度に大きな歴史的転換を画したが、同時に、その効果や影響が未知数の諸要素を有していた。本研究は、地域農業の現場での新制度の運用状況を調査しつつ、それらの諸要素がどうなるかを追求した。しかし、その行方はなお定かでない。例えば、2014年に新たに創設された農地中間管理機構は、管理機構を介する転貸借での企業参入の促進や規模拡大などを指向しているが、他方で、参入企業等による農地所有権取得の自由化への指向も、捨てられてはいない。地域資源たる農地の管理システムはいかにあるべきかという問題は、引き続き、喫緊の検討課題であり続ける。
著者
原田 純孝
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

「平成の農地改革」を標榜した2009年の農地制度改正について、その課題並びに内容と特徴を農政改革の全体的な文脈のなかで分析し、(1)農地貸借の自由化により農地制度の方向性が逆転したこと、しかし、(2)それが農業の構造改革にどう寄与するかは未知数であるうえ、制度改正自体も「道半ば」の状態にあり、(3)その行きつく先の如何(とくに所有権取得の自由化の成否)によっては、土地法制全体にかかわる様々な問題が生じうることを明らかにした。