著者
高松 哲郎 原田 義規 南川 丈夫
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

手術において末梢神経を温存することは,器官機能の温存だけでなく,患者のQOLにおいて重要な役割を担う.本研究では,研究代表者らがこれまで行なってきたラマン散乱光を用いた組織観察法を基盤に,末梢神経を非侵襲かつin vivo検出可能なラマン顕微鏡システムの開発を行った.特に,深部組織診断可能な近赤外光に対応したラマン顕微鏡の開発,末梢神経および周辺組織に特徴的なラマンスペクトルの探索と散乱分子骨格の同定,および末梢神経を選択的に検出する解析アルゴリズムの開発を行い,ラマン散乱分光法に基づく末梢神経の分子構造解析および選択的検出が実現可能であることを示した.
著者
関川 修司 長尾 泰孝 辰巳 菜津子 大西 直樹 小林 紀明 原田 義規 前田 利郎 丸山 恭平 岡上 武
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.100, no.5, pp.583-586, 2003 (Released:2008-02-26)
参考文献数
24
被引用文献数
1

症例は, 17歳, 女性. 黄疸と全身倦怠感を主訴に受診した. 肝胆道系酵素の著明な上昇を認めたが, 各種肝炎ウイルスマーカー, 抗核抗体などはすべて陰性であった. 梅毒血清反応強陽性で, 扁桃梅毒, 足底にバラ疹を認め, 二期梅毒と診断した. 早期梅毒性肝炎を疑い, amoxicillin(AMPC)内服を開始後, 肝機能検査値, 黄疸, 梅毒症状は速やかに改善した. 肝生検所見も早期梅毒性肝炎に矛盾しないものであった. 早期梅毒性肝炎で黄疸の出現する例は少なく, 若干の考察を加え報告する.