著者
原田 耀 三村 耕一
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2019年度日本地球化学会第66回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.143, 2019 (Released:2019-11-20)

リン脂質は、現在地球上に存在しているほとんどの生命体において、細胞膜の主成分となっており、生命の起源を議論する上で欠かせない生体分子である。隕石の中には、リン脂質の材料物質を全て含むものが発見されており、そのような隕石や彗星は約40億年前には多量に地球に衝突していたと考えられている。本研究では、彗星が初期地球に衝突する際に被る高温高圧環境において、彗星に含まれるリン脂質の材料物質が化学反応し、リン脂質として初期地球に供給された可能性を検討した。彗星含有物を模擬した出発物質を反応容器に封入し、火薬銃で加速した弾丸を当てることで高温高圧を作り出す衝撃実験を行い、リン脂質前駆体であるモノグリセリドとグリセロリン酸の生成を確認した。