著者
玉 珍 及川 直樹 千見寺 貴子 青木 光広 坪田 貞子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.353-358, 2016-04-25

背景:ピアノ演奏家の手内筋筋力は知られていない.本研究では女性のピアノ専攻学生とピアノ非経験者の手内筋筋力を比較し,ピアノ専攻者の手内筋の特徴を調べた. 対象と方法:ピアノ専攻者16名(19.8歳)とピアノ非経験者17名(対照:21.5歳)の握力とピンチ力,手内筋筋力をJAMAR Hand DynamometerとRotterdam筋力計で測定した. 結果:握力はピアノ専攻群と対照群間に差がなく,両群内の利き手非利き手の差もなかった.ピンチ力と手内筋力はピアノ専攻群が対照群より大きかった(P<0.01). まとめ:ピアノ専攻群の左右の手内筋は発達しており演奏に適していた.
著者
及川 直樹
出版者
飯田女子短期大学
雑誌
飯田女子短期大学紀要 = Bulletin of Iida Women's Junior College (ISSN:09128573)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-25, 2015-05-27

幼児のチーム対抗のサッカー遊びにおけるルールの実態を把握し,遊びの方向性を定め,発展を支える要因を検討した.対象は,長野県内にある私立幼稚園の年長A組であった.週1回,自由遊び時間におけるサッカー遊びを参与観察した.各観察日のサッカー遊びにおいて,ルールを適用した場面など意味的にまとまりのある場面を一つの事例とし,事例間の比較検討などを行った.その結果,サッカー遊びの方向性を定め,発展を支えていたのは,幼児の 「本当のサッカー」 への志向性の高まり,ボールを扱う技術の向上とそれに伴う動きの質的変化,チーム内での仲間意識やチーム対抗の意識の高まりの3つの要因であり,これらは複合的に関連しながら遊びの発展を支えていた.以上をもとに,サッカー遊びでは,遊びの目標を損なわず,園や幼児の実態に合わせた必要最小限のルールを導入し,幼児が工夫して遊びを展開できるように援助するのが望ましいと推察された.