著者
友岡 史沙 前田 ひとみ
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.5_869-5_875, 2020-12-20 (Released:2020-12-20)
参考文献数
48

目的:国内外の文献から医療事故後の当事者サポートについて考察し,日本における効果的な当事者サポート体制への示唆を得る。方法:医中誌Web版を用い「医療事故」「サポート」「対応」をキーワードに抽出した和文献16件,CINAHL,MEDLINE,PubMedを用い「second victim」「support」「medical error」をキーワードに抽出した英文献26件を分析した。結果:当事者は同僚や先輩によるインフォーマルなサポートを求めており,当事者の安寧や成長に繋がっていた。欧米では同僚によるサポートプログラムの研究が進んでいたが,日本では管理者によるサポート研究が主であった。結論:医療事故後のサポートとともに組織の文化的背景が当事者に与える影響も大きかった。同僚であるスタッフへの当事者サポート教育や,組織の文化背景へアプローチするサポート体制が求められる。