著者
五十嵐 千里 友成 恵 税所 信子 杉谷 邦子
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.78-82, 1994-12-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
4

3歳から13歳までの不同視弱視20例に対し,アイパッチ等による遮蔽により患眼視力が0.5に達した段階を開始点とし,患眼に比べ四段階健眼の視力を低下させる漸増遮蔽膜(Ryser社製)を眼鏡に貼り終日遮蔽を試みた.(0.1)遮蔽膜から貼り,患眼の視力向上に伴い遮蔽膜の程度を漸減していった.診断後まもなくこの方法で治療したA群は順調に視力が向上した.これまでアイパッチでの遮蔽を拒んでいた比較的年齢の高いB群も本方法を受入れ,視力が向上し始めた.患眼視力1.0に達した10例の平均治療期間はA群で16.3月(6~29ヵ月),B群で30.5ヵ月(30~31ヵ月),そのうち遮蔽膜での平均治療期間はA群で11.9月(5~17ヵ月),B群で20ヵ月(17~23ヵ月)であった.