著者
二宮 和彦 新倉 潤 佐藤 朗 寺田 健太郎 齋藤 岳志 松崎 禎一郎 友野 大 川島 祥孝 篠原 厚 久保 謙哉 齋藤 努
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.13-17, 2020-01-15 (Released:2020-01-15)
参考文献数
16
被引用文献数
1

大阪大学核物理研究センター(RCNP)ミューオン実験施設(MuSIC)から得られる,大強度の連続ミューオンビームを用いて,近年注目されている負ミューオンを用いた元素分析法の適用可能性を検討した。銅板で包まれた天保小判(19世紀,日本)について銅板を傷つけることなく,ミューオン特性X線の測定によって小判の金の含有率が53質量パーセントであることをわずか14分間の測定で同定した。本論文では,MuSICにおけるミューオン特性X線測定による元素分析の現状を概観する。