著者
竹綱 誠一郎 齋藤 寿実子 吉田 美登利 佐藤 朗子 瀧沢 絵里 小方 涼子
出版者
学習院大学人文科学研究所
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.10, pp.85-92, 2011

本研究の目的は、作文学力と算数文章題学力との関係を吟味することである。小学5 年生児童75 名を対象に、第2 学期に作文学力を測定するテストを実施し、第3 学期に文章題学力を測定するテストを課した。作文学力は5 つのカテゴリー(反論への考慮、段落構成、つながり、わかりやすさおよび論理性)ごとの下位得点の合計得点によって算出された。文章題学力は5 つの問題タイプ(通常問題、過剰情報問題、無意味問題、情報不足問題および不合理問題:通常問題以外は、不完全な文章題)ごとの得点の合計得点によって算出された。 分析の結果、2 学期に測定した作文学力と3 学期に測定した文章題学力との間に有意な相関がみられたことから、作文学力を伸ばすことが文章題学力を高める可能性のあることが明らかになった。また、論理性得点や反論への考慮得点の高い児童が、現実的で論理的な思考力を必要とする不合理問題において高得点を示すことも明らかにされるなど、教育実践への有用な示唆が得られた。研究論文
著者
竹綱 誠一郎 齋藤 寿実子 吉田 美登利 佐藤 朗子 瀧沢 絵里 小方 涼子
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.10, pp.85-92, 2012-03-28

本研究の目的は、作文学力と算数文章題学力との関係を吟味することである。小学5 年生児童75 名を対象に、第2 学期に作文学力を測定するテストを実施し、第3 学期に文章題学力を測定するテストを課した。作文学力は5 つのカテゴリー(反論への考慮、段落構成、つながり、わかりやすさおよび論理性)ごとの下位得点の合計得点によって算出された。文章題学力は5 つの問題タイプ(通常問題、過剰情報問題、無意味問題、情報不足問題および不合理問題:通常問題以外は、不完全な文章題)ごとの得点の合計得点によって算出された。 分析の結果、2 学期に測定した作文学力と3 学期に測定した文章題学力との間に有意な相関がみられたことから、作文学力を伸ばすことが文章題学力を高める可能性のあることが明らかになった。また、論理性得点や反論への考慮得点の高い児童が、現実的で論理的な思考力を必要とする不合理問題において高得点を示すことも明らかにされるなど、教育実践への有用な示唆が得られた。
著者
二宮 和彦 新倉 潤 佐藤 朗 寺田 健太郎 齋藤 岳志 松崎 禎一郎 友野 大 川島 祥孝 篠原 厚 久保 謙哉 齋藤 努
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.13-17, 2020-01-15 (Released:2020-01-15)
参考文献数
16
被引用文献数
1

大阪大学核物理研究センター(RCNP)ミューオン実験施設(MuSIC)から得られる,大強度の連続ミューオンビームを用いて,近年注目されている負ミューオンを用いた元素分析法の適用可能性を検討した。銅板で包まれた天保小判(19世紀,日本)について銅板を傷つけることなく,ミューオン特性X線の測定によって小判の金の含有率が53質量パーセントであることをわずか14分間の測定で同定した。本論文では,MuSICにおけるミューオン特性X線測定による元素分析の現状を概観する。
著者
佐藤 雅彦 中村 豊郎 沼田 正寛 桑原 京子 本間 清一 佐藤 朗好 藤巻 正生
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.274-282, 1995-03-25
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

和牛がなぜおいしいかを解明する一助のために,銘柄牛とされる5種類の和牛の香気および呈味成分について検討した.理化学的分析の結果は以下のとおりである.<br>(1) 赤肉部の分析では,ペプチドの分子量分布,ヒスチジン関連ジペプチドおよび核酸関連物質に銘柄による顕著な差は認められなかった.全アミノ酸量およびグルタミンは飛騨牛で多く,松阪牛で少なかった.<br>(2) 脂質の分析では,いずれの銘柄牛もほとんどHPLCにおける保持時間(Rt)55分以降にピークが存在し,そのピークパターンは類似していた.脂質の融点は,神戸牛,米沢牛および松阪牛で低く,前沢牛および飛騨牛で高かった.<br>(3) 加熱香気分析では,加熱後の牛肉試料中の脂質含量に差はないが,回収された香気画分の量,香気画分中の窒素化合物において前沢牛が多く,香ばしいことが予想された.また,官能基別分類では,酸類,アルコール類,アルデヒド類,ケトン類に銘柄による相違が認められ,これらは脂質に由来する化合物の差が現れていると考えられた.
著者
高清水 奈央 安達 裕行 伊藤 誠人 高橋 勉 太田 翔三 新井 浩和 下田 勇樹 三浦 広志 佐藤 朗
出版者
秋田医学会
雑誌
秋田医学 = AKITA JOURNAL OF MADICINE (ISSN:03866106)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.51-55, 2017-06-30

Despite a negative result for syphilis in a maternal serological test in the first trimester, we experienced a case of congenital syphilis. The mother was a 23-year-old primipara who had been undergoing regular prenatal care since early pregnancy ; a serological syphilis test at 10 weeks of gestation was negative. She was admitted to our hospital with preterm labor, fever, liver dysfunction, and skin rash at 29 weeks of gestation. Her fetus had ascites and hepatomegaly, although the cause was unclear. The mother delivered a male infant by emergency C-section at 32 weeks of gestation due to concerns over fetal status. The neonate had severe persistent pulmonary hypertension. He also had epidermolysis, hepatomegaly, and thrombocytopenia. CRP value and serum IgM level were abnormally elevated. Considering the clinical findings, and the mother’s previous medical history, we checked the serological syphilis tests for both infant and mother. As both tests were positive, we made a diagnosis of congenital syphilis and commenced treatment with penicillin. Treatment was effective and the patient was discharged from the neonatal intensive care unit at 75 days of age ; developmental follow-up is ongoing. Our case shows that even if a syphilis test is negative during the first trimester, it is important to consider congenital syphilis in infants with suspicious clinical findings.
著者
福岡 勇樹 成田 琢磨 小川 正樹 佐藤 朗 寺田 幸弘 松田 亜希奈 保泉 学 梅津 香織 佐藤 雄大 石川 素子 細葉 美穂子 森井 宰 藤田 浩樹 山田 祐一郎
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.335-339, 2012-05-30
参考文献数
13

35歳,女性.多嚢胞性卵巣症候群,糖尿病あり.インスリン治療にてHbA1c(JDS)5 %台で経過.妊娠34週より口渇,多飲,約8 <i>l</i>/日の多尿が出現.午前中のみの飲水制限で,血清Na 138 mEq/<i>l</i>から144 mEq/<i>l</i>へと上昇,水制限後も血漿浸透圧293 mOsm/kg>尿浸透圧213 mOsm/kg,血漿アルギニン・バゾプレシン(AVP)0.9 pg/m<i>l</i>と上昇なく,中枢性尿崩症が疑われ入院,デスモプレシンの試験的点鼻投与にて尿量は約2 <i>l</i>/日に減少した.出産後はデスモプレシンを中止しても妊娠前の尿量に戻ったが,頭部MRIで下垂体後葉の高信号の低下を認め,高張食塩水負荷試験でAVP上昇が不十分であったことから,妊娠による胎盤バゾプレシナーゼ活性亢進によるAVP需要の増大を代償しきれず,部分型尿崩症が妊娠後期に顕在化した病態と考えられた.妊娠に尿崩症が合併する頻度は4~30万妊娠例に1例と稀な症例であり報告する.<br>
著者
佐藤 雅彦 中村 豊郎 沼田 正寛 桑原 京子 本間 清一 佐藤 朗好 藤巻 正生
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.274-282, 1995-03-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
9
被引用文献数
3 1

和牛がなぜおいしいかを解明する一助のために,銘柄牛とされる5種類の和牛の香気および呈味成分について検討した.理化学的分析の結果は以下のとおりである.(1) 赤肉部の分析では,ペプチドの分子量分布,ヒスチジン関連ジペプチドおよび核酸関連物質に銘柄による顕著な差は認められなかった.全アミノ酸量およびグルタミンは飛騨牛で多く,松阪牛で少なかった.(2) 脂質の分析では,いずれの銘柄牛もほとんどHPLCにおける保持時間(Rt)55分以降にピークが存在し,そのピークパターンは類似していた.脂質の融点は,神戸牛,米沢牛および松阪牛で低く,前沢牛および飛騨牛で高かった.(3) 加熱香気分析では,加熱後の牛肉試料中の脂質含量に差はないが,回収された香気画分の量,香気画分中の窒素化合物において前沢牛が多く,香ばしいことが予想された.また,官能基別分類では,酸類,アルコール類,アルデヒド類,ケトン類に銘柄による相違が認められ,これらは脂質に由来する化合物の差が現れていると考えられた.
著者
鶴井 一純 野崎 忠 佐藤 朗好 長谷部 昭雄 前田 貴 渡部 一郎 丸山 進平
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.120-129, 1998-11-30

プロピオン酸は、香料及び保存料として使用できる食品添加物であるが、独特の香気のため添加使用量は少い。食品添加物であるプロピオン酸の純度試験の一つである易酸化物試験について、第6版食品添加物公定書(Japanese Standards for Food Additives (JSFA))及びFAO/WHOによるConpendium of Food Additive Specification (CFAS)では「本品2.0mlを量り、水10mlを加えて溶かし、0.1N過マンガン酸カリウム溶液0.10mlを加えるとき、液の紅色は、30分以内に褐色に変わらない。」とされている。この試験法においては「液の紅色が褐色に変化しない限り無色であっても合格」としばしば誤って判定されるケースが起こっている。過マンガン酸カリウムが速やかに消費され反応液が無色透明になることは逆に「易酸化物」が多いということを示すものであり、石綿等は、「易酸化物」含量がより明確に測定できるFCC試験法への転換を提案している。本研究では、プロピオン酸の純度試験として、より適した易酸化物試験法を検討することを目的に、日本国内及び広く海外で食品添加物として流通しているプロピオン酸を試料としてJSFA、CFASおよび米国Food Chemicals Codex(FCC)に収載されているプロピオン酸の「易酸化物」測定法について比較検討を行った。同時に「易酸化物」を特定することも試みた。検討の結果、食品添加物として日米欧で流通しているプロピオン酸において含量の多い不純物は、プロピオン酸エチル、エタノール、酢酸等であり、「易酸化物」に相当すると考えられるギ酸やアルデヒド類、ケトン類等の含量は極めて少ないことが判った。なお、本検討からは原料であるプロピオンアルデヒドの存在をGC分析によって確認することができなかった。一方「易酸化物」を測定する方法の検討結果からは、臭素法(FCC)はプロピオン酸中の「易酸化物ギ酸」を定量的に測定できる方法であるが、一方アルデヒド類に対しては定量性が全くない方法であること、これに対し過マンガン酸カリウム法(JSFA, SFAS)は、ギ酸以外の「易酸化物類」を測定できる方法であるが、ギ酸は全く測定できない方法であること等が判った。