著者
瀧澤 透 反町 吉秀
出版者
八戸学院大学
雑誌
八戸学院大学紀要 (ISSN:21878102)
巻号頁・発行日
no.48, pp.43-50, 2014-03-31

自殺者に占める精神疾患の割合は少なくないが、その実態はあまり明らかにされていない。自殺統計には警察統計と人口動態統計があるが、現状ではそのどちらも精神疾患の実態把握に対して整備すべき点がある。警察統計では「原因・動機」についての選択肢の見直しであり、人口動態統計では死体検案書の死因欄の記載についてである。これらデータを起こす際、担当した警察および警察医らによって集められた情報が自殺対策に反映できるような仕組みづくりが求められる。現在、内閣府で「死因究明等推進計画検討会」が開催されているが、そこで検討されている「死因究明機構」等の組織において臨床心理士らを配置・提携をすれば、心理社会的な背景要因の把握も可能となると思われた。