著者
叢 敏 菊池 多賀夫
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-5, 1998-06-25 (Released:2017-01-06)
参考文献数
16
被引用文献数
1

山火事跡地の先駆植物として,種子から発芽して来る代表的な種のうちヒヨドリジョウゴ,ヒメコウゾ,ヨウシュヤマゴボウ,ノブドウ,ヤマブドウ,サルトリイバラ,オオイヌタデ,ツユクサ,サンショウ,モミジイチゴ,クマイチゴ,ニガイチゴについて,一旦発芽培養を行って発芽するものは発芽させ,その後,未発芽で残った種子に対する加熱発芽反応を調べた.その結果,ヒヨドリジョウゴ,ヒメコウゾ,ヨウシュヤマゴボウ,ノブドウ,ヤマブドウ,サルトリイバラに加熱による発芽促進効果が見られた.このような発芽特性は乾燥保存種子の特性とは異なる独自のものであり,湿潤気候に適合する特性であることが示唆された.