著者
古場 久代 重松 恵子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.30, no.10, pp.829-832, 1979-12-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
4

50名の女子学生を対象に, 清汁を用いて, その塩味に対する官能検査を行った.まず食塩1%の標準清汁について, その塩味の強さの評価を, カテゴリー尺度法により調査した.この清汁に対する塩味評価は, 月経周期に対して変化し, 月経周期前半期では「やや塩からく感じる」のに対し, 後半期では「ややうすく感じる」傾向が認められた.食塩濃度が異なる3種の清汁 (食塩0.8, 1.2, 1.5%) においても, 月経周期の後半期は前半期に比べて, より「うすく感じる」傾向を示した.食塩濃度の異なる4種の清汁 (食塩 0.8, 1.0, 1.2, 1.5%) のうち, 最適添加量と推定した好みの食塩濃度を月経周期に対応させて, その平均値と信頼限界を求めた結果, 月経周期の前半期と後半期では, その評価に明らかな有意差が認められた.この結果より判断すると, 月経周期の前半期は比較的うすい食塩濃度の清汁を好み, 後半期は前半期より濃い食塩濃度の清汁を好むと思われる.