- 著者
-
古屋 聖児
高橋 謙之祐
- 出版者
- The Japan Society for Oriental Medicine
- 雑誌
- 日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.1, pp.183-189, 2003-01-20 (Released:2010-03-12)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
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経尿道的前立腺切除 (TURP) 術後の疼痛・不快感 (Post-TURP pain/discomfort, PTPD) に対する竜胆瀉肝湯の有効性を, The National Institutes of Health Chronic Prostatitis Symptom ndex (NIH-CPSI) 日本語版 (案) を用いて検討した。対象症例は15例で, 年令は57~77歳 (平均69.8歳), TURP術後経過年数は0.8~10年 (平均3.4年) であった。竜胆瀉肝湯 (7.5g/日) の投与前と投与後2週毎, 患者にNIH-CPSI日本語版 (案) に記入してもらった。竜胆瀉肝湯の投与終了までの期間は, 2~16週 (平均6.4週) であった。PTPDに対する竜胆瀉肝湯の効果は, 有効症例が11例 (73%), 無効症例が4例 (27%) であった。竜胆瀉肝湯投与前と投与終了時の疼痛の重症度, 疼痛の頻度およびQOLの各スコアの平均±標準偏差は, それぞれ5.8±1.5と2.6±1.9 (p=0.0014), 3.4±0.9と2.0±1.5 (p=0.0096), 4.5±0.7と2.6±1.4 (p=0.0033) で, 有意の低下を認めた。従って, 竜胆瀉肝湯はPTPDの治療薬の選択肢の一つとして有用であると考える。