著者
坪石健志 馬場雅志 日浦慎作 宮崎大輔 青山正人 古川亮
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.10, pp.1-2, 2014-06-21

近年,実写画像に CG を合成する AR(拡張現実) が,さまざまな場面で利用されている.我々の研究室においても,原爆ドームに対して AR を用いて,戦争や原爆の悲惨さを伝える携帯端末アプリの開発を行っている.しかし,従来のアプリには文化財に対しては AR マーカを設置できない等の問題あった.本研究では,画面上のパターンを検出するテンプレートマッチング法を用いてこの問題の解決を図った.実験の結果,解像度を落とした画像を用いたテンプレートマッチングにより,タブレット端末でも実時間でのマーカレスな位置合わせが可能となった.
著者
宮崎大輔 實重貴文 馬場雅志 古川亮 青山正人 日浦慎作
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2014-CVIM-194, no.15, pp.1-8, 2014-11-13

メタメリズムとはある光源下では 2 つの物体が異なる色として知覚されるが別の光源下では同じ色として知覚される現象である.本研究では,メタメリズムを利用したトリックアートの作成手法を提案する.与えられた光源下でメタメリズムが生起する条件を満たす油絵の具を提案手法によって計算する.実験では,2 光源・4 物体色の間で生起されるメタメリズムについて計算をおこなった.これにより擬似的な陰影を表現することができ,二次元の絵画が三次元の物体として知覚されるトリックアートを実現することができた.
著者
上川智幸 宮崎大輔 馬場雅志 古川亮 青山正人 日浦慎作
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2013-CVIM-189, no.5, pp.1-6, 2013-11-21

3 次元モデル化を行う上で,密な 3 次元形状を取得することは非常に重要である.本稿にて提案する手法では,レンジセンサより得た形状を制約条件とすることで,未校正照度差ステレオ法を起点とした密な法線の推定を行う.はじめにレンジデータの制約を用いて未校正照度差ステレオ法の曖昧性を解いた後,求められた法線および光源方位,さらには入力画像から影や鏡面反射を取り除いた線形化画像を最適化するような処理を繰り返す.このようにして法線,アルベド,光源方位,線形化画像を同時に得られることが本手法の利点であり,同時に入力データが形状および画像のみであることから,計測の負担が少なく汎用性の高い手法にもなっている.
著者
清田祥太 川崎洋 古川亮 佐川立昌
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.488-495, 2011-07-20

アクティブステレオによる形状計測における問題点として,一視点から観測可能な形状しか計測できないことや静的なシーンしか計測できないことが挙げられる.本論文では,多視点のプロジェクタ・カメラシステムを利用して,動的シーンの形状を全周囲から計測する手法を提案する.高いフレームレートで形状を計測するためには,プロジェクタから照射するパターンを切替えずに静的なパターンを投影することが望ましい.しかし,従来の静的パターンによるアクティブステレオは,複雑なパターンを利用することが多く,パターンの重なりによる相互干渉の問題から,全周囲計測に適用することは難しかった.本研究では,単純な平行線によるパターンを利用し,むしろ干渉から得られる情報を利用して形状を復元する.具体的には,各プロジェクタは一方向の少数(1または2個)の色を持つ平行線のみを投影し,その直線同士の交点から連立線形方程式を多数構成して解く.我々は,6台のカメラと6台のプロジェクタから成るシステムを実際に構築し,運動する人物の密な3次元形状復元に成功した.