著者
武田祐一 日浦慎作 佐藤宏介
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.1026-1033, 2011-07-20

レンズの開口形状を符号化することで,逆演算によるぼけ除去を安定化する方法が提案されている.しか し,ぼけの点拡がり関数 (PSF) は物体までの奥行きにより変化するため,ぼけ除去を適切に行うためには被写体まで の奥行きを求める必要がある.そこで本研究では,ステレオカメラのレンズ開口部を符号化し,得られた画像から被 写界深度を拡張する手法を提案する.本研究ではぼけ除去に適した開口形状が奥行き推定の安定性向上にも有効であ ることを示す.また,これにより得た奥行きマップから PSF を求めることで,撮影画像からぼけを取り除いた被写界 深度拡張画像を求めることが出来ること,さらにこの被写界深度拡張画像と奥行きマップから,任意に設定した合焦 距離の前後をぼかした画像を生成するリフォーカシングが可能であることを示す.
著者
笹尾朋貴 日浦慎作 佐藤宏介
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.899-906, 2011-07-20

本研究では,撮像素子の各画素形状をコード化することで超解像を高性能化する手法を提案する.従来の研究では撮像素子の各画素が矩形であることを前提としている.そのため,各画素のサンプリングは点サンプリングではなく正方形の畳み込みによって原画像の高周波成分が失われることになる. そこで本研究では,撮像素子の上に細かい黒色粉末を振りかけることで各画素の受光分布のランダムなコード化を行い,正方形の畳み込みによる原画像の高周波成分の損失を低減する手法を提案する.黒色粉末を振りかけた場合,どのようなコードになっているか未知となるため,その推定方法を示し,実験によりコードの推定を確かめた.更に,推定したコードを用いて作成した超解像画像を評価する.
著者
坪石健志 馬場雅志 日浦慎作 宮崎大輔 青山正人 古川亮
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.10, pp.1-2, 2014-06-21

近年,実写画像に CG を合成する AR(拡張現実) が,さまざまな場面で利用されている.我々の研究室においても,原爆ドームに対して AR を用いて,戦争や原爆の悲惨さを伝える携帯端末アプリの開発を行っている.しかし,従来のアプリには文化財に対しては AR マーカを設置できない等の問題あった.本研究では,画面上のパターンを検出するテンプレートマッチング法を用いてこの問題の解決を図った.実験の結果,解像度を落とした画像を用いたテンプレートマッチングにより,タブレット端末でも実時間でのマーカレスな位置合わせが可能となった.
著者
宮崎大輔 實重貴文 馬場雅志 古川亮 青山正人 日浦慎作
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2014-CVIM-194, no.15, pp.1-8, 2014-11-13

メタメリズムとはある光源下では 2 つの物体が異なる色として知覚されるが別の光源下では同じ色として知覚される現象である.本研究では,メタメリズムを利用したトリックアートの作成手法を提案する.与えられた光源下でメタメリズムが生起する条件を満たす油絵の具を提案手法によって計算する.実験では,2 光源・4 物体色の間で生起されるメタメリズムについて計算をおこなった.これにより擬似的な陰影を表現することができ,二次元の絵画が三次元の物体として知覚されるトリックアートを実現することができた.
著者
上川智幸 宮崎大輔 馬場雅志 古川亮 青山正人 日浦慎作
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2013-CVIM-189, no.5, pp.1-6, 2013-11-21

3 次元モデル化を行う上で,密な 3 次元形状を取得することは非常に重要である.本稿にて提案する手法では,レンジセンサより得た形状を制約条件とすることで,未校正照度差ステレオ法を起点とした密な法線の推定を行う.はじめにレンジデータの制約を用いて未校正照度差ステレオ法の曖昧性を解いた後,求められた法線および光源方位,さらには入力画像から影や鏡面反射を取り除いた線形化画像を最適化するような処理を繰り返す.このようにして法線,アルベド,光源方位,線形化画像を同時に得られることが本手法の利点であり,同時に入力データが形状および画像のみであることから,計測の負担が少なく汎用性の高い手法にもなっている.