著者
古林 千恵 矢野 久子 尾上 恵子 脇本 寛子 脇山 直樹 畑 七奈子 山本 洋行 脇本 幸夫
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.412-418, 2012 (Released:2013-02-05)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

高齢社会の到来と医療費の削減を背景に,入院期間の短縮,在宅医療の普及が推進されている.退院後,引き続き自宅での医療が必要な場合には,短い入院期間中にこれらの医療に関する新たな技術を習得することが求められている.今回,清潔間欠自己導尿(CIC)の継続指導チェックリスト作成のために患者10名を対象に,導入時および継続指導の実態を調査した.CIC導入時の問題点として,口頭指導のみでCICを開始させた場合があった.また,手順指導を行なった場合であっても患者の個別性や身体的機能,異常時の対応,自宅の状況などを考慮した指導にいたっていないことや膀胱過拡張予防の理解,排尿記録の目的を理解した記載が行われていないことが明らかになった.外来では,残尿が無いように排尿をさせる体位や手順確認を含めた継続指導を行っていなかった.これらのことから,膀胱過拡張予防の理解,上部尿路保護を意識した排尿量の保持と排尿間隔でCICを実施する排尿記録の記載を中心とした継続指導が重要であることが明らかになった.以上を踏まえ,問題点の抽出を行い継続指導チェックリストを作成した.