著者
古池 壽和
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.122-127, 2013-02-08

日本が近代化する過程において、様々な産業が興り、その盛衰を物語る諸資源が今日に受け継がれている。それらの中には、近代化遺産として、その利活用が模索されているものも多い。本稿で取り上げている名古屋陶磁器*1においても、拠点となる「名古屋陶磁器会館」は、登録有形文化財として、名古屋陶磁器の展示や講座の開催、映画のロケなどに活用されている。しかし、かつてその周辺にあった、陶磁器(関連)産業自体は、すっかり影を潜め、それに伴い多数の職人(技)は、消えつつある。そこで、本稿では、往時の産業を偲ぶ文化遺産と言える職人(技)の現状を、断片的な資料として整理し、近代化遺産の活用に向けた手がかりを提示したい。