著者
三宮 千佳
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
Geibun : bulletin of the Faculty of Art and Design, University of Toyama : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.58-77, 2016-02

The gilt bronze Buddhist statue in Chinese NorthernWei have been studied in the past by art history focusingon a style study, but there is no conspicuous developmentin recent years.So I considered mint methods by aexperimental casting as new development of the study.The gilt-bronze Nyorai with inscription Year 1th ofTianJian (524) taken up as a subject of a experimentalcasting is the collection in Sano art museum in Mishimashi,Shizuoka. So a experimental casting of nimbusof flames of the gilt-bronze Nyorai was also cast byarchetype to embellish pattern, with the guidance ofProfessor MIFUNE Haruhisa in the casting room atFaculty of Art and Design,University of Toyama, inJune (2015). The reproduction material compared withthe gilt-bronze Nyorai, and it was understood that acasting methods of it was cast by archetype to embellishpattern. This research is new technique as a study ina gorge of art history and archaeology, and I'd like tomake them develop through further experimental castingand observation from now on.
著者
古池 壽和
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.122-127, 2013-02-08

日本が近代化する過程において、様々な産業が興り、その盛衰を物語る諸資源が今日に受け継がれている。それらの中には、近代化遺産として、その利活用が模索されているものも多い。本稿で取り上げている名古屋陶磁器*1においても、拠点となる「名古屋陶磁器会館」は、登録有形文化財として、名古屋陶磁器の展示や講座の開催、映画のロケなどに活用されている。しかし、かつてその周辺にあった、陶磁器(関連)産業自体は、すっかり影を潜め、それに伴い多数の職人(技)は、消えつつある。そこで、本稿では、往時の産業を偲ぶ文化遺産と言える職人(技)の現状を、断片的な資料として整理し、近代化遺産の活用に向けた手がかりを提示したい。
著者
小松 研治 渡辺 雅志
出版者
富山大学
雑誌
Geibun : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.50-58, 2007-12

今回実施した国際共同授業は、スウェーデンのカペラゴーデン美術工芸学校、と富山大学高岡短期大学部専攻科産業造形専攻の学生が同一課題のもとで作品制作を行い、その成果を共有して相互の学生が発想の源泉を幅広いものにすると共に、作品の特色や教育方法について比較研究することを目的とした試みである。同一課題は、日々の生活の中で使う「トレー(お盆)」の制作をテーマとして行い、その作品を交換して固紋において作品発表展覧会を開催する手順で行った。本稿では、カペラゴーデン美術工芸学校の学生作品に見られる幾つかの特徴を抽出し、それらの特徴を作り出す教育方法等の背景について考察する。
著者
深谷 公宣 佐藤 真基子
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Art and Design University of Toyama (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
no.12, pp.108-110, 2018-02-28

日時:平成28 年7月8日(金)13:00 ~ 16:15場所:富山大学高岡キャンパス 講堂/B-211講義室講師:ジョナサン・カハナ博士(デンマーク、オーフス大学研究員)、佐藤真基子教授(富山大学教養教育院)、深谷公宣准教授(富山大学芸術文化学部)参加者:「映像文化論」「卒業研究・制作(深谷担当)」履修学生、本学教職員。\n学部授業「映像文化論」(2年前期)及び「卒業研究・制作(深谷担当)」(4年)において、映像作品に見られる宗教モチーフの意味について考えるイベント「宗教とポピュラー文化」を開催した。発案者は本学教養教育院教授、佐藤真基子である。佐藤のコーディネートにより、比較宗教学を専門とするデンマーク王国オーフス大学研究員ジョナサン・カハナ氏をゲスト講師として招聘した。 イベントはシンポジウム、セミナーの2部構成とした。シンポジウム(第1部)では「映像文化論」の履修学生(107名登録)、オープン・クラスの参加者(1名)、及び学内外からの来場者を対象に、3つの映像作品(『ゴーストバスターズ』、『マトリックス』、Thunder Perfect Mind )を事例に挙げ、宗教のモチーフに着目しながら議論を展開した。セミナー(第2部)では「卒業研究・制作」の履修者(大谷知穂学生、大廣優里学生、岡川春樹学生)に学内からの参加者(小田夕香理芸術文化学部講師、小坂真里江学生)を加え、カハナ氏による講義と質疑応答をおこなった。
著者
深谷 公宣
出版者
富山大学
雑誌
Geibun : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.122-136, 2006-12

英国の演劇評論家マーティン・エスリンは、サミュエル・ベケットの戯曲を「不条理演劇」の範疇に組み入れた。エスリンの言う不条理演劇とは、従来の物語構造を否定し、人間存在の主体性やその形而上学的根拠が崩壊した状況を描く戯曲である。だが、エスリンの議論は、ベケットの戯曲の特徴を、主体性を肯定する実存主義の視点から照射するため、あいまいさを残している。また、エスリン以来、ベケット批評の領域では不条理演劇という名称がひとり歩きし、この名がはらむあいまいさは解消されていない。エスリンと異なり、ベケットの作品における主体性の崩壊現象を的確に捉えた論者/演劇人が存在してはいるものの、彼らの考えはあまり議論されずにいる。以上を踏まえ、本論では、エスリンを含む主な論者/演劇人の議論を主体性というモチーフの面から再検証し、ベケット批評の領域で展開されてきた不条理をめぐる諸説の整理を行う。その結果、ベケットの作品解釈において、登場人物の主体性を否定しきれないエスリン以来の議論と、主体性を否定する議論との差異を明らかにし、不条理演劇という語の持つ意味に新たな認識の枠組みを提示する。
著者
ペルトネン 純子 鳥田 稔弘 岡本 隆志 大熊 敏之 三船 温尚
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Art and Design University of Toyama (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.90-108, 2006-12

明治期の彫金師、海野勝珉が制作した宮内庁三の丸尚蔵館が収蔵する「蘭陵王置物」と「太平楽置物」を平成17年8月11日、三の丸尚蔵館において次のような研究者が調査を行った。鳥田宗吾は、象嵌技法を中心とした制作研究によって伝統工芸士と高岡市伝統工芸産業技術保持者という称号を持つ彫金技術者である。ペルトネン純子は、彫金・鍛金技法に関わる制作・技法・論文研究を行っている。三船温尚は、古代鋳造技法など鋳金技法に関わる制作・技法・論文研究を行っている。大熊敏之は、近代造型史、日本近代美術批評史などの論文研究を行っている。岡本隆志は、日本の美術・工芸に関する論文研究などを行っている。本稿は、調査時に録音したテープを起こし、編集を加えて、調査内容を掲載するものである。最終的な報告書には記載されない結論を導くための観察・考察経緯、観察手順、観察の着眼点などを記録した本稿が、今後の海野勝_彫金作品の研究だけでなく明治の金属工芸品調査や研究に僅かながらでも寄与できることを目的としている。
著者
中村 滝雄 ペルトネン 純子 長柄 毅一 河原 雅典
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.126-133, 2011-02

富山県で泊鉈を製作している大久保中秋氏(刃物・農土具製作所、昭和5 年生まれ)の作業場環境ならびに製作道具を調査し、その詳細を記録した。この調査によって、一般に鍛冶師が行う熱処理時の事例とは異なって、鍛造エリアが明るいこと、また製作道具が泊鉈製作に特化したものではなく、特別な冶具なども無いことが確認できた。このような状況の下、大久保氏が重要視していると考えられる鍛造エリアの明るさと熱処理方法の関係、ならびに製作道具の調査から野鍛冶の道具と製作技術について考察した。その結果、鍛造エリアの明るさは焼入れと焼戻しを同時に行う上で必要な環境であり、焼戻しにおける酸化色の移動状況を見極めるためであることが推察できた。また、大久保氏をはじめとする野鍛冶は、特定の製品に適応させた道具や冶具を作らず、臨機応変に駆使できる経験則的な技術を築き上げて個々の製品に対応し、製作していることが分かった。
著者
渡邉 雅志
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
no.7, pp.66-67, 2013-02-08

「HAPPINESS BIRD PROJECT」「トロフィー」「森のえんぴつ」「トロフィー」
著者
清水 まさ志
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.82-99, 2015-02-27

十九世紀フランスの詩人シャルル・ボードレールの詩集『悪の華』第一部「憂鬱と理想」に含まれる詩篇「祝福」「太陽」「高翔」「照応」「あれら裸の時代の思い出を私は愛する」を、「ハシッシュの詩」の冒頭と関連付けて、恩寵的な超自然状態が描かれている詩篇として位置づけた。ボードレールは、これらの詩篇を通して、「楽園」「古代」「子供時代」「善」「理想」とは何かを語り、古典主義的抒情詩人として善の花々をうたってみせた。しかしそれは同時にロマン主義的抒情詩人として「失楽園」「現代」「大人」「悪」「人工の理想」をうたうに至る「前史」を語っていると考えられる。こうした分析を通して、「憂鬱と理想」の構成において、「あれら裸の時代の思い出を私は愛する」を、決定的出発点とみなす観点を述べた。
著者
上原 雄史
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Art and Design University of Toyama (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.58-69, 2018-02-28

近年、特異な形態の建築が都市を飾るようになった。しかし、そのような建築は、「環境摂理を内包した構造物こそが建築である」と、ロージェが指摘した建築の本質に応えているだろうか。技術革新は、建築物の多様な形態や素材利用を可能にし、BIMなど自動化手法は、設計•建設技術の高度な統合を実用化した。一方、新しい建築形態は環境摂理を内包する論理性に基づいているだろうか。例えば、ヒートアイランド現象への対応は過去20年間指摘されて続けているが、建築意匠学は体系的な答えを生み出していない。本論文は以下の2つの仮説を、デザイン•バイ•リサーチ手法を用いて検証する。1)環境への対応が形態を論理化するということ。2)そのような建築は、「概日リズム」(シルカディアンサイクル)に従った健康な睡眠と持続性のある都市環境を作り出し、健康な生活空間を生み出すこと。これらの仮説を検証することを通じ、本論は新しいファサードを具体的に提案し、次のステップへの明確な方向性を示す。 Recent architecture possesses diverse shapes that decorates the contemporary cities. Yet do those architecture embody what M.A. Laugier's fundaments: natural and intrinsic? Recent fabrication technology in building construction allows nearly individual couture of its façade, its geometry and materialization. Building Information Model technology coordinate complex projects seamlessly from design to construction. Yet, do architectural design lack reasoning to its unique form? The cause of heat island phenomenon is known for some time, but few design principles were theorized to reduce the heat island phenomenon. This paper applies the Design-by-Research method to this issue. Hypothesis: the first, the building physics is the reason to innovate architectural form; the second such architecture frames space for healthier life by visualizing Circadian rhythm thereby forming healthier sleep and sustainable city. This paper presents a palpable new façade system that features the shades. This paper describes its performance and provides the next steps.
著者
伊藤 裕夫
出版者
富山大学
雑誌
Geibun : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.18-21, 2007-12

これからの大学は、単に教育・研究の場としてだけでなく、様々な形で地域社会と連携し、貢献することが求められてきている。富山大学芸術文化学部では、平成18年12月から、北日本新聞社と共催で「夕塾(せきじゅく)」をスタートさせたが、これもこうした試みの一つである。 夕塾は、基本的には学生たちが高岡市や富山県の文化や産業について、実際に関わってこられた方々のお話を通して学ぶ場を、広く市民の方々にも公開し、学生も市民も一緒になって皆でこれからの地域社会のあり方について考えていこうという特別授業である。学生には、普段の授業では受けられない、現実の社会や地域の課題に触れる機会を設け、芸術文化学部で学ぶことの意義をつかんでもらうとともに、これらを通して、大学を地域の文化拠点として、地域づくりに貢献していくための「出会いの場」を形成していくことを目指している。 以下、平成18年度に開催された6回の夕塾の概要を報告する。
著者
ペルトネン 純子 鳥田 稔弘 岡本 隆志 大熊 敏之 三船 温尚
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Art and Design University of Toyama (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.90-108, 2006-12

明治期の彫金師、海野勝珉が制作した宮内庁三の丸尚蔵館が収蔵する「蘭陵王置物」と「太平楽置物」を平成17年8月11日、三の丸尚蔵館において次のような研究者が調査を行った。鳥田宗吾は、象嵌技法を中心とした制作研究によって伝統工芸士と高岡市伝統工芸産業技術保持者という称号を持つ彫金技術者である。ペルトネン純子は、彫金・鍛金技法に関わる制作・技法・論文研究を行っている。三船温尚は、古代鋳造技法など鋳金技法に関わる制作・技法・論文研究を行っている。大熊敏之は、近代造型史、日本近代美術批評史などの論文研究を行っている。岡本隆志は、日本の美術・工芸に関する論文研究などを行っている。本稿は、調査時に録音したテープを起こし、編集を加えて、調査内容を掲載するものである。最終的な報告書には記載されない結論を導くための観察・考察経緯、観察手順、観察の着眼点などを記録した本稿が、今後の海野勝_彫金作品の研究だけでなく明治の金属工芸品調査や研究に僅かながらでも寄与できることを目的としている。
著者
ペルトネン 純子 鳥田(宗吾) 稔弘 岡本 隆志 大熊 敏之 三船 温尚
出版者
富山大学
雑誌
Geibun : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.90-113, 2006-12

明治期の彫金師、海野勝〓が制作した宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する「蘭陵王置物」(明治23年制作)と「太平楽置物」(明治32年制作)の制作技法を彫金、鍛金、鋳金の分野から総合的に研究するため平成17年8月11日、三の丸尚蔵館において調査した。本稿は、「蘭陵王置物」「太平楽置物」の制作背景の研究と各作品の技法に関する詳細な研究を行い、明治期の優れた金属工芸作品の制作背景と高度な金属工芸技術の解明を目的としている。
著者
ペルトネン 純子 鳥田 稔弘 三船 温尚 大熊 敏之 岡本 隆志
出版者
富山大学
雑誌
Geibun : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.150-159, 2006-12

明治期の彫金師、海野勝〓が制作した宮内庁三の丸尚蔵館が収蔵する「蘭陵王置物」と「太平楽置物」を平成17年8月11日、三の丸尚蔵館において次のような研究者が調査を行った。鳥田宗吾は、象嵌技法を中心とした制作研究によって伝統工芸士と高岡市伝統工芸産業技術保持者という称号を持つ彫金技術者である。ペルトネン純子は、彫金・鍛金技法に関わる制作・技法・論文研究を行っている。三船温尚は、古代鋳造技法など鋳金技法に関わる制作・技法・論文研究を行っている。大熊敏之は、近代造型史、日本近代美術批評史などの論文研究を行っている。岡本隆志は、日本の美術・工芸に関する論文研究などを行っている。本稿は、調査時に録音したテープを起こし、編集を加えて、調査内容を掲載するものである。最終的な報告書には記載されない結論を導くための観察・考察経緯、観察手順、観察の着眼点などを記録した本稿が、今後の海野勝_彫金作品の研究だけでなく明治の金属工芸品調査や研究に僅かながらでも寄与できることを目的としている。
著者
清水 克朗
出版者
富山大学芸術文化学部 「すずのキラキラブレスレットをつくろう」実施報告
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.48-51, 2010-02

自身が身につける装身具を自らデザイン、制作し、使用することを通して、ものづくりに対する意識を啓蒙する。金属熔解、鋳込み、曲げ加工といった一連の金属加工技術を実体験することにより、金属の性質を理解する。
著者
田中 美夜
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.32-35, 2009-02

駅地下芸文ギャラリーは2007年4月にオープンしました。2年目に入った今年は昨年に引き続き学生が企画段階から関わっていく動きも入れながら、ワークショップ及びセミナーの開催と昨年度よりも多い来場者数を目標として事業を行ってきました。学生の企画としては5月のゴールデンウィークに合わせた「Tommy Dining」が挙げられます。この企画は学生が主体となって運営組織をつくり、期間限定のショップをギャラリー内にオープンするというものでした。企画のみに関わる学生がいれば作品出品だけ行う学生もいて、多くの学生が興味のある得意分野で関わっていくことができました。また、地域を巻き込んだ企画として、市民と学生を対象とした座談会、そして小学生を対象としたワークショップを開催しました。両者ともに次回を望む参加者の要望もあり、継続した企画として今後も行なっていきたいと考えています。