- 著者
-
熊谷 悦子
古町 和弘
宮田 智孔
佐中 孜
- 出版者
- 一般社団法人 日本透析医学会
- 雑誌
- 日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.3, pp.225-231, 2016 (Released:2016-03-28)
- 参考文献数
- 28
【目的】 腎不全用必須アミノ酸製剤内服のアミノグラムと栄養指標の改善効果を検討. 【対象】 透析歴1年以上で, 3.0g/dL≦血清アルブミン<3.8g/dL, 摂取熱量25kcal/kg/day以上の34例. 肝機能障害, CRP≧2.0mg/dL, 透析前HCO3− 16mEq/L以下, HbA1c 6.5%以上, BMI 18未満は除外. 【方法】 投与前, 投与後1, 2, 3か月後の血液検査, 投与前と投与3か月後にアミノ酸分析を施行. 【結果】 非必須アミノ酸 (NEAA) は有意に低下, EAA/NEAAは有意に上昇. 分岐鎖アミノ酸/総アミノ酸は有意に上昇. 腎不全用必須アミノ酸製剤は有意に低下, 必須アミノ酸と非必須アミノ酸の比, アミノ酸総量に占める分岐鎖アミノ酸は有意に上昇した. 血清アルブミン<3.5g/dLの群でアルブミン値の上昇傾向がみられた. 【結論】 EAAの内服は透析患者のアミノグラムと栄養状態の改善に寄与する可能性が示唆された.