著者
岩村 雅一 古谷 嘉男 黄瀬 浩一 大町 真一郎 内田 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.579-587, 2010-05-01
被引用文献数
1

特徴量のみでは本質的に避けることができない誤認識を回避するために,付加情報を用いるパターン認識という枠組みが提案されている.この方式では,パターン認識を行う際に,付加情報と呼ばれるクラスの決定を補助する少量の情報を特徴量と同時に用いて認議性能の改善を目指す.付加情報は自由に設定でき,通常は誤認識率が最小になるように設定する.ここで問題となるのは,誤認識率が最小になる付加情報の設定方法である.常に正しい付加情報が得られるいう理想的な条件においては既に問題が定式化され,付加情報の割当方法が導かれている.しかし,実環境での使用を考えると,付加情報に生じる観測誤差を考慮した割当方法が求められる.そこで本論文では付加情報の観測誤差を考慮に入れて,問題を新たに定式化する.これは付加情報が誤らない場合にも有効な一般的なものである.本論文で導いた割当方法が有効に機能することをマハラノビス距離を用いた実験で例示する.