- 著者
-
古賀 庸憲
- 出版者
- 一般社団法人 日本生態学会
- 雑誌
- 日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.1, pp.1-12, 2007-03-31 (Released:2016-09-10)
- 参考文献数
- 106
カニ類の配偶行動についての生態学的研究は、まず主に水産重要種を含む海生のグループで行われたが、行動生態学の興隆とほぼ時を同じくして陸生・半陸生のグループで盛んになった。特に干潟に高密度で棲息するスナガニ科には行動生態学の実証的研究に適した特徴を幾つも持つものが多く、配偶行動や繁殖戦略に関連した研究が数多く行われている。シオマネキ属を含むスナガニ科の配偶行動は変異に富み、代替交尾戦術の頻度や雄間競争・雌の配偶者選択の程度が、空時的にまたエサ条件や捕食のリスクに反応して変化することが示されている。本稿ではカニ類の配偶行動および生態学的に関連の深い分野について最近の動向をまとめ、今後の展望を述べる。