著者
只野 敬子 安田 和男 牛山 博文 二島 太一郎
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.402-407_1, 1991-10-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
17
被引用文献数
2

健康食品として市販されているカキエキス錠剤について, マウスを用いる公定法により麻痺性貝毒 (Paralytic Shellfish Poison: PSP) 試験を行った. この結果, 17試料中11試料から 3.9~12.5MU/g のマウス毒性が認あられた. しかし, TLC法, けい光強度法及びHPLC法ではPSPは検出されなかった. そこでマウスの致死原因を検討した結果, 錠剤の成形剤の一つとして使用されている炭酸カルシウムがPSP抽出操作で用いる塩酸により, 塩化カルシウムに変換し毒性を示すものと考えられた. そこで塩酸の代わりに, 硫酸, クエン酸, リン酸等を使用したところ, いずれの場合もカルシウムの影響を受けずにPSPの抽出ができることが分かった.