著者
只野 裕己 鳥越 俊彦
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.102-108, 2017 (Released:2017-06-12)
参考文献数
67
被引用文献数
10 7

抑制性共シグナルを伝達する免疫チェックポイント分子Cytotoxic T lymphocyte antigen 4(CTLA-4),Programmed death 1(PD-1),PD ligand 1(PD-L1)に対する阻害抗体が開発され,メラノーマ,非小細胞肺がん,腎細胞がん,ホジキン病,頭頸部がんなど,多くのがん種において新たな標準治療法となりつつある.その一方で,これら免疫チェックポイント阻害剤の副作用と考えられる免疫関連有害事象(irAEs)の報告も増加し,その病態と発生機序の解明が課題となっている.本稿では免疫チェックポイント阻害剤によるirAEsの特徴である,①多様性,②多発性,③持続性,④相関性の4点について概説する.