著者
吉岡 みね子 KOVITHAVATATTAPHONG Chotiros
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

平成14年度〜平成17年度実施計画にそって研究を実施し、目的としていた極めて貴重な以下の研究成果を得た。また本研究成果を基盤にしたさらに高次元の課題で、本研究の集大成化を図る今後の研究方針が得られたことは、今後の国の内外の研究に少なからず資するものと確信する。1.学術資料としての文芸誌の調査、収集、再評価を図る実証的研究、及び研究対象の原本、文学作品、関連文学作品、文献史料の調査、収集の成果所在不明であった当該文芸誌『アクソーンサーン』や『ワンナカディーサーン』について、その所在、内容(発行年、巻、号数等)の確認ができ、マイクロジャケットで入手後、CD化した。また関連文芸誌『エーカチョン』、『スパープブルット』、『セーナースックサー・レ・ペーウィッタヤーサート』、『ラックウィッタヤー』をマイクロフィルムで入手、研究対象の原本、文学作品、関連文学作品、文献史料についても調査と収集を積極的に図り、成果を充実化させた。2.タイ側共同研究者、及び国の内外の専門家より助言、レクチャーを聴講資料の入手、分析、考察、研究成果の公開等についてタイ、及びイギリスの専門家より助言、レクチャーを拝受し、また意見交換を行った。3.思想、文化、歴史観点からの新しい研究アプローチによる分析、考察、及び研究成果の公開上記入手資料を分析、考察し、成果の一部を英文で執筆した。また研究内容の充実と国際化を図るため、研究過程での成果、及び関連作家について国の内外で発表した(2003年、タイ国立開発行政大学院大学他)。さらに国際学会EUROSEA(2004年)をはじめ、国の内外の学会、研究会に積極的に参加し、研究の視野を広げ、学際研究の向上に努めた。4.関連作家の文学活動追究:セーニー・サオワポン作『敗者の勝利』の翻訳出版学術界のみならず、研究成果の社会への還元、及びタイ、日本両国の友好と文化理解促進という観点から、タイ文学史上の上記名作を翻訳出版した。