著者
吉岡 暁 門前 達哉 久保 雄器 河野 優斗 千葉 篤郎 内堀 歩
出版者
日本神経感染症学会
雑誌
NEUROINFECTION (ISSN:13482718)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.154, 2022 (Released:2022-05-12)
参考文献数
8

【要旨】コロナウイルス(COVID-19)感染後に四肢筋力低下をきたし、Guillain-Barre 症候群(Guillain-Barre Syndrome:GBS)の診断で救命し得た症例を2 症例経験したので報告する。症例は 70 歳代と 50 歳の男性で、感冒症状出現からそれぞれ 15 日後、17 日後に四肢遠位優位の脱力が出現した。先行感染のある四肢筋力低下、腱反射消失を認めた。ICU にて気管内挿管、人工呼吸器管理とした。免疫グロブリン大量療法、単純血漿交換療法の両方を施行したが、四肢はほぼ完全麻痺にいたり、長期人工呼吸器管理となった。リハビリテーション病院に転院し、ADL は自立まで回復した。COVID-19 感染症が蔓延し、重症患者を診療する病床が不足するなかにおいても、COVID-19 感染後 GBS は重症であり、治療のための病床確保が必要である。