著者
井関 真理 中山 博輝 渡邊 睦房 内堀 歩 千葉 厚郎 水谷 真之
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.558-562, 2022 (Released:2022-07-29)
参考文献数
27
被引用文献数
1

症例は43歳女性.コミナティ‍®(BNT162b2,ファイザー社)接種後に異常感覚と筋力低下,嚥下障害,高度の深部感覚障害を自覚し,当科を受診した.腱反射は消失,髄液検査は正常,抗ガングリオシド抗体は陰性で,神経伝導速度検査ではF波の出現率の低下を認めた.ワクチン接種による自己免疫性の末梢神経障害と考え血漿交換を行ったところ,症状は改善したが深部感覚障害は残存した.新型コロナウイルス感染(coronavirus disease 2019,以下COVID-19と略記)後およびCOVID-19ワクチン接種後に末梢神経障害を生じた既報例を本例と比較すると,深部感覚障害がめだつ点が特徴的だった.
著者
吉岡 暁 門前 達哉 久保 雄器 河野 優斗 千葉 篤郎 内堀 歩
出版者
日本神経感染症学会
雑誌
NEUROINFECTION (ISSN:13482718)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.154, 2022 (Released:2022-05-12)
参考文献数
8

【要旨】コロナウイルス(COVID-19)感染後に四肢筋力低下をきたし、Guillain-Barre 症候群(Guillain-Barre Syndrome:GBS)の診断で救命し得た症例を2 症例経験したので報告する。症例は 70 歳代と 50 歳の男性で、感冒症状出現からそれぞれ 15 日後、17 日後に四肢遠位優位の脱力が出現した。先行感染のある四肢筋力低下、腱反射消失を認めた。ICU にて気管内挿管、人工呼吸器管理とした。免疫グロブリン大量療法、単純血漿交換療法の両方を施行したが、四肢はほぼ完全麻痺にいたり、長期人工呼吸器管理となった。リハビリテーション病院に転院し、ADL は自立まで回復した。COVID-19 感染症が蔓延し、重症患者を診療する病床が不足するなかにおいても、COVID-19 感染後 GBS は重症であり、治療のための病床確保が必要である。
著者
井関 真理 中山 博輝 渡邊 睦房 内堀 歩 千葉 厚郎 水谷 真之
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001750, (Released:2022-06-24)
参考文献数
27
被引用文献数
1

症例は43歳女性.コミナティ‍®(BNT162b2,ファイザー社)接種後に異常感覚と筋力低下,嚥下障害,高度の深部感覚障害を自覚し,当科を受診した.腱反射は消失,髄液検査は正常,抗ガングリオシド抗体は陰性で,神経伝導速度検査ではF波の出現率の低下を認めた.ワクチン接種による自己免疫性の末梢神経障害と考え血漿交換を行ったところ,症状は改善したが深部感覚障害は残存した.新型コロナウイルス感染(coronavirus disease 2019,以下COVID-19と略記)後およびCOVID-19ワクチン接種後に末梢神経障害を生じた既報例を本例と比較すると,深部感覚障害がめだつ点が特徴的だった.