- 著者
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倉田 行伸
田中 裕
照光 真
弦巻 立
金丸 博子
吉川 博之
小玉 由記
山崎 麻衣子
瀬尾 憲司
- 出版者
- 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
- 雑誌
- 日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.2, pp.93-97, 2013 (Released:2013-07-06)
- 参考文献数
- 12
【目的】今まで外科的顎矯正手術を受けた患者で術後に下歯槽神経の損傷によって生じたと考えられるオトガイ部の触覚閾値が上昇した患者の治癒について検討してきた.そこで本研究では抜歯などの一般的な歯科処置を含む外傷性三叉神経障害を対象として,術後経過の記録から同領域における感覚が自然治癒しにくいと予測できる触覚閾値を後ろ向きに検討した.【方法】顎顔面領域の手術や外傷でオトガイ部に感覚障害を生じた,受傷から初回の触覚閾値測定までの日数が7日から14日であり,受傷から2回目の触覚閾値測定までの日数が21日から56日であった69名を対象とし,初回に対して2回目の触覚閾値が悪化または治癒傾向となった感度,特異度,陽性予測度,陰性予測度を算出し,感覚の自然回復が困難であると予測できる診断効率を比較した.【結果】受傷から1~2週間の触覚閾値が3.0 gのときに感覚の自然回復が困難であると予測できる診断効率が最も高かった.【結論】顎顔面領域の感覚障害では,受傷から1~2週間の触覚閾値が3.0 g以上であると,その後3週間の感覚は自然回復しにくくなることが示唆された.