著者
西條 豪 金子 聡 吉川 建夫
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.1180-1183, 2015 (Released:2015-10-20)
参考文献数
7

【目的】酢水にて直接フラッシュおよび充填を行う、“酢水フラッシュ充填 ”の経腸栄養カテーテル閉塞予防効果について検討した。【対象および方法】検討1:酢水フラッシュ充填を行った入院患者延べ47例を対象、閉塞に関して検討した。検討2:経腸栄養カテーテルを使用し、濃厚流動食を滴下、その後を〈方法1〉水道水フラッシュのみ。〈方法2〉水道水フラッシュ後、酢水充填。〈方法3〉酢水フラッシュ後、充填。また通水のみを〈方法4〉とし、実施後のカテーテル重量測定、細菌培養検査を実施した。【結果】検討1:47例中、閉塞5本。検討2:重量変化は〈方法2、方法3〉で同水準の増加。一般生菌数は〈方法1、方法4〉陽性、〈方法2、方法3〉陰性。培養検査は〈方法1〉接続部、〈方法4〉先端部より多数の菌が検出。【結論】酢水フラッシュ充填はカテーテル閉塞の予防策、感染対策として有効であり、さらに、看護業務、患者家族負担の軽減も期待できると考えられた。