著者
吉川 正剛 Masatake YOSHIKAWA
出版者
大手前大学CELL教育研究所
雑誌
大手前大学CELL教育論集 = Otemae University CELL journal of educational studies (ISSN:21855641)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.057-066, 2017-03-31

2011年の大学設置基準の改正により、大学でのキャリア教育やキャリア形成支援が原則義務付けられた。今後の就職支援部門の業務は、大学設置基準の趣旨を踏まえて学生のキャリア形成支援に資するよう再構成することが求められているが、そのあるべき姿は明確ではない。本稿では、文部科学省が想定している「キャリア教育」の意義から大学設置基準の条項を検討するとともに、職業紹介機関たる就職支援部門と厚生補導機関たる就職支援部門の位置づけを振り返ることにより、就職支援部門が行う「就職支援」の再定義を試みた。この中で、職業指導の「目標の二重構造」を提示し、今後の就職支援が「卒業後の進路決定」という学生の目標と「人生設計支援」という大学の目標の、2つの目標の二重構造の中で行われるべきことを示した。