著者
伏木田 稚子 大浦 弘樹 吉川 遼
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.44054, (Released:2020-09-07)
参考文献数
39

本研究では,統計の基礎とデータ分析を扱う反転授業において,受講生の理解度と講義動画の視聴行動を検討した.実践では,講義動画と対面学習の内容に関連があり,真正性の高い問題解決を要するゲームを用いて,動画視聴の前に認識的準備活動 (EPA) を行った.EPAの実施単位として個人EPA群と協調EPA群を設定し,受講前,中間,受講後の理解度テストの得点を比較した後,動画視聴の比率やスタイルを分析した.その結果,(1) 個人EPA群と協調EPA群の違いにかかわらず,受講生全体の理解度が向上する,(2) 協調EPA群の方が,対面での演習活動前に理解度がより向上しやすい,(3) 個人EPA群の方が講義動画を選択的に反復視聴する傾向がみられる,などの示唆が得られた.