著者
南 正昭 吉武 和徳 田村 洋一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.699-706, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
13

本論文は, 車椅子利用者の選択できる経路が, 街路網上に存在する路上障害物や施設整備水準によって限定されることに着目し, 車椅子利用者が自らの身体状況に応じて障害要素を回避し目的地へ到達することができるように, 経路選択を支援する方策について考察を行ったものである. 山口県宇部市の中心市街地を対象地域とし, 現地調査を実施して街路網上障害要素に関するデータを収集し, データベースの構築を行った. このデータをもとに, 車椅子利用者は自らの許容水準を満たさない街路網上障害要素を回避し, 所要時間が最短となる経路を選択することを仮定し, 推奨経路を地理情報システム上に提示する対話型の支援システムを開発した. 本システムの実行例を通して, 経路選択の支援策としての有用性を明らかにするとともに改善すべき課題をまとめた.