著者
吉江 路子 繁桝 算男
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.335-346, 2007-03-31
被引用文献数
5

本研究は,ピアノサークルに所属する大学生,大学院生77名を対象に,対人不安傾向と完全主義認知が演奏状態不安に与える影響を検討した。演奏状態不安の指標としてState-Trait Anxiety Inventory (Spielberger, Gorsuch, & Lushene, 1970)を用い,本番の演奏前後の状態不安を測定した。さらに,演奏状態不安の要因の指標として,演奏前に完全主義認知,演奏後に聴衆不安と相互作用不安,自己志向的完全主義を測定した。その結果,対人不安傾向のうち"聴衆不安",完全主義認知のうち"ミスへのとらわれ"のみが演奏前状態不安と正の相関をもった。また,これら2変数には交互作用が見られ,"ミスへのとらわれ"高群においてのみ,聴衆不安傾向が演奏前状態不安を有意に予測していた。これらの結果より,演奏者のパフォーマンスを高めるための実践的示唆が得られた。
著者
吉江 路子 繁桝 算男
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.335-346, 2007-07-07

本研究は、 ピアノサークルに所属する大学生、大学院生77名を対象に、対人不安傾向と完全主義認知が演奏状態不安に与える影響を検討した。演奏状態不安の指標としてState-Trait Anxiety Inventory (Spielberger, Gorsuch, & Lushene, 1970) を用い、本番の演奏前後の状態不安を測定した。さらに、演奏状態不安の要因の指標として、演奏前に完全主義認知、演奏後に聴衆不安と相互作用不安、自己思考的完全主義を測定した。その結果、対人不安傾向のうち“聴衆不安”、完全主義認知のうち“ミスへのとらわれ”のみが演奏前状態不安と正の相関をもった。また、これら2変数には交互作用が見られ、“ミスへのとらわれ”高群においてのみ、聴衆不安傾向が演奏前状態不安を有意に予測していた。これらの結果より、演奏者のパフォーマンスを高めるための実践的示唆が得られた。