- 著者
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御影 雅幸
吉田 あい
- 出版者
- The Japan Society for Oriental Medicine
- 雑誌
- 日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.3, pp.411-418, 1996-11-20 (Released:2010-11-22)
- 参考文献数
- 32
- 被引用文献数
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漢薬「大黄」は近年ではもっぱら瀉下薬として著名であるが, 古くから駆淤血薬としても利用され, 大黄の古来の薬効が駆淤血であるのか瀉下であるのかについては未だ明確な結論が得られていない。また, 近年薬用部位に混乱が見られる。本研究ではこれらの問題点を解決するために古文献をひもといて史的考察を行い, 次のような結果を得た。大黄の古来の薬効は駆淤血であったが, 瀉下その他の薬効でも使用されていた。清代までは Rheum palmatum を始めとする大型ダイオウ属植物の根茎が良質品大黄として使用されていた。近年, 根も使用されるようになったのは, 大黄が瀉下薬として評価された結果であると考える。大黄の薬効は多様であり, 今後は根茎と根の薬効の相違, 潟下活性以外の効能などについて詳細に検討する必要があろう。