著者
吉田 明日香
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

近年、歯周炎は、循環器疾患のリスクとなる可能性があることが報告されてきた。我々は以前、基礎実験から、特定の歯周病原細菌感染が圧負荷心肥大、心臓の間質の線維化、血管周囲組織の線維化を促進し、心機能を低下させ、炎症性マーカーの発現を亢進させることを明らかにした。本研究の目的は、実験的モデルマウスを用い、歯周病原細菌感染が心肥大に与える影響とその機序を検討することとした。結果として、他の特定の歯周病原細菌感染によって心臓肥大を悪化させてしまうことと、特定の細胞表面に存在するタンパク質受容体を介して、心臓の間質の線維化の抑制と、炎症性マーカーの発現の抑制が起こることを明らかにした。